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日記帳。
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なんちゃって短文。
文才は皆無ですイエー♪

隙間風の漏れるような呼吸音。こぽりと咽奥を塞ぎかけた生ぬるい液体がどろりと這いずって、口の端から静かに垂れる。色なんて確認したくもない濁った生命色。
あばらが折れているのか、罅で済んでいるのか。感触から行くと景気よく折れている気がするのだけれど、動けない。勢いよく咳き込もうものなら軽く死ねるだろう。っていうか死ねた。痛くて。死ななかったけど。
頭を擦り付けるように伏せたまま、確認できるのは、体中が軋んでいること。出血が止まってないことくらいか。傷が熱を持ってその部位はやけに熱いのに、徐々に冷えていく体温。夜風が追い討ちをかけて、頭に直接響くような心臓の鼓動が生々しくて耳を塞ぎたいのに、まるでゴムがくっついているような感覚。そこから先が確認できない。ちゃんと指は五本付いているだろうか。そもそも手はちゃんとあるだろうか。
昔読んだ漫画のヒーローは腕の中に刀を埋めていたけれど。あれは少々自分のスタイルに合わないので勘弁かなぁなんて我ながら軽い。

鼻で空気を吸えないのが息苦しさを増していた。流れるどろりとしたそれはさっきから止まる気配がない。鼻筋が熱を持って少々腫れていることろを見ると…折れている。ちょっと待ってよプレイバック。華のジョシコーセーのかんばせに何してくれやがんだこん畜生。
眼前に広がる夜の景色。高層ビルの窓枠の人一人が漸く立てるようなスペースで、あたしは蹲るようにして臥せっていた。回復アビリティは切れていて、今や一人で立つ気力もない。内側ではゴーストやらリリスやらが我が物顔で徘徊している。見つかったら、誰に聞いたって笑って応えてくれる。一巻の終わり。それだけ。

死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない。
誰が死ぬかふざけんな。こんなところで。こんな無様に死んでたまるか。

悔しくて涙までじわりと滲んでいたところだった。そのとき、真上の窓枠に嵌っていた硝子が、吹っ飛んだ。っていうか何か吹っ飛ばされた。思わず激痛を飲み込んで見上げると、妖獣…のような黒いものが吹っ飛ばされたのだとわかって。辛うじて確認できたのはそれくらいで、唸りだが雄たけびだか…断末魔か。耳を劈くような大騒音と共に夜の闇に消える。この高さだ。助かるとは思えない。呆然としていると、かっという鋭い音。黒いエアシューズの左足が窓枠に掛かっていて、そこから身を乗り出すようにしてこちらを見ている、悪友の姿。
赤い髪が闇に溶けて、押し殺した色がしずかに揺れて。冷たい鉄色が相も変わらず無気力にこちらを見つめていた。

「…あら。粗目、宴がいるわ」

ぱんちらしそうでぎりぎりしてくれないつれない悪友は(本人にいう勇気はない)抑揚の薄い声そう言って、こちとら大惨事ですだよってのに、暢気なものだ。次に窓からひょっと顔を覗かせた義弟もまた、何でもないような表情で「あ、姉さん」と一言。ねぇ。もうちょっと気にしてくれないかな。流石のあたしも凹んじゃうぞ★

「……何で粗目、若干焦げてるの?」

よく見れば遊飛ちゃんには蜘蛛の巣がちょっとだけ引っかかっていて、粗目はマフラーやら服の一部が焦げ付いている。それを指摘すると遊飛ちゃんはむすりとして、粗目はにこりと笑顔を返した。髪がつやりと輝いている。
それを指摘されたのが嫌だったのか、遊飛ちゃんは、片腕であたしをずるりと窓の内側に引き摺り落として(あたしの悲鳴やら何やらはこの際カットだカット。地獄ってのはね、生きてるうちにあるんだよ)若干涙声になりつつ、まぁ落ち着いたところではたりと、気づいた。

「なぁにふたりして真夜中でぇt」

言い終わる前にがしりと掴まれた。口を覆うようにして顎を。長い指が軽々と顎関節を悠々と覆って、静かに、力を込められていた。みしりと、骨が鳴ったのが…聞こえた。

「ねえさん。僕、かがり縫いが得意なんですよ」

きらきらの金の目が、ゆったりと細められて、翳りの三日月が突き刺すような色をしていた。
…………縫われる。
どこを、なんて愚問以外のなにものでもない。ぞわりと背筋に這った何かを引き剥がすようにこくこくと頷く。血が足りなくてくらりと力を無くした身体を逆手で支えられる。体温の低いはずの義弟さえ暖かく感じてほっと一息ついていると、
空中で弧を描いたナイフの刃先。げっと逃げの体勢を取る暇もなく、
ばだばだと、景気よくぶっかけられた。……ねぇ。それ一応飲料でね。確かに飲むのには抵抗あったよ。あったけどさ。お蔭様で纏った衣装は修復を開始し、鼻骨は元通りに……本当人間じゃないんじゃないだろうか。なんてとっくの昔に捨てたものだ。
手を握ったり開いたりを繰り返し、具合を確かめる。若干血が足りないような気がしないでもないが、行動に支障をきたすようなものでもなかった。

「一応訊くわ。…行く?」
「もちばち★」

上を指差してことりと首を傾げる遊飛ちゃんに二つ返事で返して、そして微妙な顔をしている粗目に気づいた。


「姉さん…踏破コースですが」
「……何でそれを先に行ってくれなかったわけ?」

32階の…何階だっけ。ここ。
まぁ、女に二言はありませんことなのですだよ?


いや遊飛ちゃんと粗目がたのしそうな会話してたので無理矢理交じってみた。
…ときどきこんな風に小さい文章を時折ぽこっと書くよ。
今回はちゃんとお名前おけで了解とってます!
とってないときは名前を伏せつつ…書くよ!(書くのかよ!)

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