日記帳。
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腕から手首へ。手首から掌へ。掌から指先へ。指先から、爪へ。
きれいにならんだ肉と骨。
機能する生のからくり。
電気信号で成り立つ生きた精密機械。
きれいにならんだ肉と骨。
機能する生のからくり。
電気信号で成り立つ生きた精密機械。
白い指だ。剣を握りなれた指先のタコにサカムケの添えられた子供の指。緑のマニュキアのぴかぴか彩る爪がひらりと視界をかすめて、なぜかその爪が真っ赤なときの映像がぶれた。むき出しの骨の。そげた肉の。裂けた皮膚の。千切れた血管の。生きた赤色が鮮やかに彩る指先を。
「…ねぇ。」
「なに?」
「…これは、あたしの腕かな」
「……眼科、…行く?」
「…あんたもわりかし失礼だねっ」
「自分から生えている、腕を…見て、それが自分の、か、確認できないっていうのは、」
「だってさ、これ、潰れかけたし、切れかけたし、取れかけたし、焼かれてズッタズタのボロボロの生ゴミみたいな状態になったの、みたことあるんだけど。・・・腕に限ったことじゃないけどさ」
「…治ったんでしょ?」
「ねぇ、この腕は、何回しんだの?」
「…、それ、とてもくだらないって、」
「わかってる。何も考えてないから」
「……。」
「にんげんって、何?のうりょくしゃって、…何?」
「さぁ。でも、今その身体にくっついて、剣が握れて、誰かと手を、繋げるの、なら、…それは、あなたの、腕でしょう?」
「そだねぇ」
生きているという一言で積み上げられていく不条理に、その掌を合わせて己の息を確認する。それが祈りの姿に似ているなんて、なんて滑稽な話。
「…ねぇ。」
「なに?」
「…これは、あたしの腕かな」
「……眼科、…行く?」
「…あんたもわりかし失礼だねっ」
「自分から生えている、腕を…見て、それが自分の、か、確認できないっていうのは、」
「だってさ、これ、潰れかけたし、切れかけたし、取れかけたし、焼かれてズッタズタのボロボロの生ゴミみたいな状態になったの、みたことあるんだけど。・・・腕に限ったことじゃないけどさ」
「…治ったんでしょ?」
「ねぇ、この腕は、何回しんだの?」
「…、それ、とてもくだらないって、」
「わかってる。何も考えてないから」
「……。」
「にんげんって、何?のうりょくしゃって、…何?」
「さぁ。でも、今その身体にくっついて、剣が握れて、誰かと手を、繋げるの、なら、…それは、あなたの、腕でしょう?」
「そだねぇ」
生きているという一言で積み上げられていく不条理に、その掌を合わせて己の息を確認する。それが祈りの姿に似ているなんて、なんて滑稽な話。
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